組み込み開発で英語は必要ですか?
自身について
組み込み開発を新卒からやらせていただいて現在n年目です。
ハードウェアよりの仕事が多いです。
普段は以下のことをしています。
- 回路設計
- プログラミング (VBA、簡単なファーム)
- 各動作検証
- 筐体設計
- 生産用機器の設計
英語とどのようにかかわっているかというと、つかず離れず必要な時に使うという非常に抽象的な感じです。
学生の採用活動でよく「英語は必要ですか?」と聞かれるので、自分自身の整理も含めて投稿します。
どなたかの参考になれば幸いです。
来月から新生活を始める方も多いと思うので、その方も是非。
組み込みハードウェアエンジニアに英語は必要なのか?
「英語は必要ですか?」と聞かれたら「必要です」と答えるようにしています。
しかし、目的によって必要やレベルは異なるかと思うので、あくまで私の日常での範囲で書きます。
日常で使う英語
データシート読解など技術情報の取得
リーディングスキルが必要です。
ICなどのデータシートは多くの場合英語が最新版です。
業務上、これを読まないと設計ができないのでリーディングスキルは要ります。
しかし、最近ではGOOGLE翻訳が使えるようになってきているので、そこに任せてしまえば6割くらいは日本語で読むことができます。
残りの4割を埋めるために自身の英語能力を上げる必要がありますが、電気電子回路の経験を積んでいくと、1割くらいは感覚で埋まるような気がしています*1。
また、部品メーカーのHOWTO動画は英語ですし、日本語でない情報も英語サイトだとある場合が多いです。
例えば、アナログデバイセズのページなんかは途中までは日本語ですが、技術記事はいきなり英語が飛び交います。
www.analog.com
Wikipediaの回路説明は英語版のほうが優れています。
これもGOOGLE翻訳に入れれば良いので、自分達読者自身に英語スキルはあまり必要なくも思います。
展示会説明員
大規模な展示会に出展する際は、海外からのお客様も多いです。
技術担当として説明員になることもあるので、会話スキルが必要です。
展示会での会話で、予想外に難しいのは、騒音の中で相手の言っていることを聞き取ることです。
簡単な質問でも、騒音でかき消されると全くわからなくなります。これは日本語でも同様かと思います。
会話で必要になるのは以下と思います。
- 製品仕様を表す英語
- 製品動作を表す英語 (測る、通信する、比較するなど)
- 数値に関する英語(分数、約数、加減乗除など)
ここらへんを抑えておけば良いと思いますが、私は抑えられていません(勉強不足)
UIとか取説とか
2020年現在、国立競技場の案内などでもたまに話題に上がりますが、UIや説明に付ける英文は難しいと感じます。
正しいと思っても、国外では独特の言い回しをしている場合があったり、直訳すると不自然に感じられる場合があるからです。
私自身はその感覚がないので正解が分かりませんが、異文化を生業にする人からすると敏感に感じ取られているようです。
組み込み製品において機能名称は独特です。
定型的な電気回路も、日本語と英語で異なる場合がおおいです。
そのため、日本語でも機能名が機能を表していないにも関わらず、それを無理矢理英訳するためトラブルを生みます。
- 操作ボタンに対して、多くのユーザーが期待する動作をしない。
- 日本語でも機能名から処理の予想ができない。
- 取説を見ても業界独特の言い回しなので新規ユーザーが理解できない。使えない。
似たようなことでよく話題にあがる事象としては、プログラムの関数名が独特過ぎてバグを生むようなことかと思います。
UIや取説の英語問題に関して、私は解決策を見つけられないままです。
突発的イベント
以下は私の経験上、予定がなかったが英語が必要になってしまったケースです。
部品メーカーのヒアリング
本国から部品のニーズや今後の発展についてヒアリングをするために、代理店を経由して来客がありました。
相手方は英語で説明し、それを代理店の同行者が翻訳し私に伝える流れでしたが、翻訳される方の全員が技術に明るいわけではないので、会話が難航する場面がありました。
各種問い合わせ
基板の製作や部品手配など、国内で行うよりも海外サービスを使ったほうが早く、しかも安く済むことがあります。
そういったサービスを選定したり利用したりする場合は、リーディングスキルが必要になります。
輸送料などを差し引いても海外サービスのほうがメリットがある場合、積極的に使用したほうが当然良いので、英語を使うことになります。
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